Psychotropia
Nick Nicely
2004
音楽の世界はどこまでも深いと思わせられた1作がこれ。
1980年に自主制作のシングル1枚と、翌年に EMI からこれまたシングル1枚をリリースしただけという、知る人も知らないくらいのマイナスな勢いを嫌でも感じる Nick Nicely というミュージシャン。ニック・ナイスリーという名前もなかなかのもの。
こんな実績のミュージシャンのコンピレーション・アルバムがリリースされるというのは、それだけ内容が良いからに違いないわけで、1曲目の「Hilly Fields(1892)」は、1982年 NME 誌に「60年代以降のサイケの中でベスト」と評価されたらしい。ベストかどうかは別として、これが確かに名曲。
5曲目「On The Beach(The Ladder Descends)」はなんかジャケットの雰囲気から外れてカッコイイし、3曲目「49 Cigars」と6曲目のアルバム・タイトルにもなっている「Psychotropia」は、The Beatles のサイケな曲のイメージに近くて絶品。特に「49 Cigars」はモロ「Tomorrow Never Knows」。15曲目「1923」はちょっと切ない一番のお気に入り。
アルバム全体にクオリティの高い曲がギッシリ入っているので、興味のある人はなくならないうちに買ってみれば?