パニック・フライト/Red Eye
監督:ウェス・クレイヴン Wes Craven
2005年 アメリカ
逃げられない。
高度30,000フィートの罠
雑誌「TITLe」2月号の特集「史上最愛のDVD大作戦!」に「DVDでしか観られない、未公開映画の傑作はこれだ!」というコラムがあって、そこでチェックしたのがこの「パニック・フライト」という作品。
「よく練られた脚本」「航空スリラーの傑作」という言葉に惹かれて観てみた。
一流ホテルのマネージャーであるリサ(レイチェル・マクアダムス)は、勤務地マイアミへ向かう空港で、好青年リップナー(キリアン・マーフィ)と出会う。
偶然、同じ飛行機で隣席だったふたり。しかし、それは彼が仕組んだ罠だった。
国家要人暗殺チームの一員リップナーは、リサの勤めるホテルに宿泊する標的の暗殺のために、リサの父親を人質にとり、その命と引き換えに暗殺に協力するよう脅迫してくる。
空の密室、恐ろしい計画を語るリップナーからリサは逃れることができるのか。
監督のウェス・クレイヴンは「エルム街の悪夢」「スクリーム」「フレディVSジェイソン」等を手がけるホラー映画界の重鎮的存在である。
だもんで、ホラー的な場面がたくさんあるのだが、特に秀逸だったのは悪役リップナー(キリアン・マーフィ)の演技。隣に座るリサ(レイチェル・マクアダムス)に顔を向ける時の動きが結構怖い。
特典映像によると、実物大の機体のセットを実際に揺らして撮影が行われているから、天候不良で揺れまくる機内の様子がリアルだ。
85分と短い映画ながら、アクション・ホラー・サスペンスといった要素が満遍なく埋め込まれて飽きる暇もない。
しかし、「パニック・フライト」という邦題はミスリードだし、暗殺実行犯はチームを組んでいるのに暗殺作戦成功の鍵を握るリップナーが単独で行動しているなど、ご都合主義的な面もチラホラ。
こうした邦題と散見される脚本の穴さえ気にならなければ、コンパクトにまとまった暇つぶしにもってこいの佳作だろうと思う。
あと、レイチェル・マクアダムスは加藤ローサに似てる、と思ったのは私だけだろうか。
パニック・フライト/Red Eye
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TITLe 2月号
特集:史上最愛のDVD大作戦!
文藝春秋