【映画】THE 有頂天ホテル

THE 有頂天ホテルTHE 有頂天ホテル
監督・脚本:三谷幸喜
2006年 日本
最悪の大晦日に起こった、最高の奇跡。

録画していたのを観た。

公開当時、盛んにテレビで宣伝していた記憶があるが、「笑の大学」の2年後に公開されてんだな。てっきり「笑の大学」の方が新しいと思っていたよ。

>>内容<<
都内の高級ホテル“ホテルアバンティ”。
新年のカウントダウンパーティーまであと2時間あまり。その成否はホテルの威信に関わり、これを無事終えることが副支配人の新堂平吉(役所広司)に課せられた責務。
ところが、そんな新堂をあざ笑うかのように、思いも掛けないトラブルが次々と発生する。
刻一刻と新年のカウントダウンが迫る中、従業員と“訳あり”宿泊たちを襲う数々のハプニング。
はたして彼らは無事に新年を迎えることができるのか?

基本的に主人公はホテルの副支配人である新堂(役所広司)なんだが、他にも主人公格の登場人物がいて、それぞれのエピソードを同時進行させるというグランドホテル形式ドラマ。

また、大晦日から新年までの2時間をほぼリアルタイムで進行するという映画でもある。

ある意味「24」の2時間版?

出演している役者は超豪華。

役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、篠原涼子、戸田恵子、生瀬勝久、麻生久美子、YOU、オダギリジョー、角野卓造、寺島進、川平慈英、梶原善、石井正則(アリtoキリギリス)、田中直樹、八木亜希子、原田美枝子、唐沢寿明、津川雅彦、伊東四朗、西田敏行、声の出演で山寺宏一。

そうそうたる面子で、これだけのメンバーをどのように上手にエピソードに絡ませるか、というのが脚本家であり監督でもある三谷幸喜の腕の見せ所だろう。

その点においては、少々おかしなところもありながら、致命的に破綻することもなく物語をまとめあげたと思う。

しかし、最後のカウントダウンに向けて複数の物語が同時進行で展開しながらも、最終的にそれがカタルシスに結びついてはいない。カウンドダウンはカウントダウンでひとつエピソードとして孤立しちゃっているのである。YOUは歌っているけれど。

それぞれのエピソードもそれほど面白いわけではなく、面白い展開になるわけでもない。これは観ていて辛い。中途半端なエピソードがたくさんあって中途半端に展開し、中途半端にエンディングなのである。136分と長い作品なだけに、中途半端続きでかなり退屈してしまった。

あと気になったのが、ギャグがかなり幼稚なところ。

耳が異様に大きかったり、総支配人の伊東四朗が白塗りでホテル内を右往左往したりとほとんど笑えないというか痛々しいくらい。

「ラヂオの時間」では登場人物のキャラの濃さと状況によってとんでもない行動と結果が生まれてそれがギャグになって笑えたが、「THE 有頂天ホテル」はかなり寒い単発ギャグが全編に散りばめられているのである。

もちろん好みの問題もあるだろうが、「ラヂオの時間」で見せた腕はどこへ行ったのだろうか? と思ってしまった「THE 有頂天ホテル」である。

THE 有頂天ホテルTHE 有頂天ホテル
監督・脚本:三谷幸喜
評価:stars