アモーレス・ペロス Amores Perros
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
1999年 メキシコ
世界の真中で愛を叫んだ犬たち
- 2000年カンヌ国際映画祭批評家週間グランプリ
- 東京国際映画祭グランプリ、監督賞受賞
という受賞歴を並べるよりも、「バベル/BABEL」の監督が撮った作品、と云った方が通りはイイだろう。
こないだ「バベル/BABEL」を観たので、その遙か前に観ていた、正確を期すると、2004年8月11日に以前作っていたサイトに書いた感想を引っ張りだしてきた。
実にズルイと云うか、資産の有効活用というか。
まぁ、そんなのはどうでも良いのである。
ズルかろうが、有効活用だろうが、どっちにしろたいしたことは書いてないのだから。
ひとつの交通事故を起点に時間を前後して、兄嫁に恋した青年、手にしたはずのキャリアも恋人も一瞬にして失ったスーパーモデル、かつて妻と娘を捨て反政府組織に入り今や殺し屋となってしまった初老の男、それぞれの激しくも切ない愛の物語が展開するオムニバス風ドラマ。
原題(犬のような愛)が示すとおり、いずれの物語も犬が重要な鍵として登場する。
原題は「犬のような愛」らしいが、直訳でも悪くない。
まさに犬のような愛なのである。
そしてその愛は報われない。
本当の犬もたくさんでてくる。
犬はこの映画の接着剤の役割を果たす最も重要な脇役だ。
ただし犬好きは見てはいけない。
犬好きの目に余るシーンがたくさんあるからだ。
「バベル/BABEL」と比べると、個人的には「アモーレス・ペロス」の方が好き。
映画としては「バベル/BABEL」の方が上手いと思うのだが、「アモーレス・ペロス」のスケール感の方がより肌に感じられて痛切。
基本的な構造としてはかなり似通っているので、「バベル/BABEL」が気に入ったのなら、「アモーレス・ペロス」も多分好物だろう。
アモーレス・ペロス Amores Perros
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
評価: