バベル BABEL
監督:アレハンドロ=ゴンサレス・イニャリトゥ
2006年 アメリカ
神は、人を、分けた。
「アモーレス・ペロス」「21グラム」のアレハンドロ=ゴンサレス・イニャリトゥが第59回カンヌ国際映画祭の監督賞を受賞した出世作(?)。
>>内容<<
壊れかけた夫婦の絆を取り戻すために旅をしているアメリカ人夫婦のリチャードとスーザン。バスで山道を走行中、どこからか放たれた銃弾が、スーザンの肩を撃ち抜く。なんとか医者のいる村までたどり着くが、応急処置がやっと。彼は英語がなかなか通じない村の住人たち、対応が遅いアメリカ政府に苛立ちを露わにするが…。
同じころ、東京に住む聴覚に障害を持った女子高生のチエコは、満たされない日々にいら立ちを感じていた…。
原題のバベルとは『旧約聖書』の「創世記第11章」にある町の名。町の人々は天まで届くバベルの塔を建てようとしたが神はそれを快く思わず、人々に別々の言葉を話させるようにした。その結果人々は統制がとれずばらばらになり、全世界に散っていった。映画ではこれを背景として、「言葉が通じない」「心が通じない」世界における人間をストーリーの行間から浮き上がらせていく。
という大前提がある作品なのだが、日本人には常識というわけではないので、知らないと「なにこれ?」となる可能性大。
特にアレハンドロ=ゴンサレス・イニャリトゥ初体験な人はそう。
少なくともバビル二世とかロデムとかロプロスとかポセイドンは出てこないし、ヨミだっていない。
だからある程度概要を把握して観た方がこの映画は「吉」となる可能性は高い。
モロッコ、日本、アメリカ/メキシコという舞台が三つ巴になって展開するイニャリトゥ節なわけだが、日本のエピソードがちょっと宙に浮いているような気がした。繋がりが薄いなと。
それぞれの舞台で登場する人物像も、日本だけがちょっと変わっている。
何故日本であるべきだったのかがいまひとつ見えないまま映画が終わってしまったので、ちょっと気持ち的に宙ぶらりん状態のままになった作品。むむ。
バベル BABEL
監督:アレハンドロ=ゴンサレス・イニャリトゥ
評価: