【本】超常現象をなぜ信じるのか―思い込みを生む「体験」のあやうさ/菊池聡

人が超常現象を信じてしまう理由は、信じたいからだろう。多分。

「信じたいこと」が、脳内で「あったこと」に変換され、「本当のこと」になる。

そういうことだろうと思われるが、これいかに。

「自分の目で見たこと」は信じてよいか?
UFO、虫の知らせ、星占い……。科学的には証明できないことも、実際の体験をとおして信じてしまう。
しかしその「体験」は、本当のできごととは限らない!
超常現象の実在を信じてしまうのは、人の思考システムの本質がかかわっている。

では、アブダクションがあったとする思いこみについて、科学的な説明を試みているが、それを更に詳しく解説したような内容になっている。

珍しいこと、特別なことが2回続けて起きると、あたかもその2つが関連しているかのように思えてしまう認知バイアスの話も興味深い。
「験担ぎ」や「ジンクス」なんかは認知バイアスから生まれる行動の一種だろう。
統計的に正しいとは云えないのだが、それを誤って信じてしまうのが人間なのだ。