硫黄島からの手紙 Letters from Iwo Jima
監督:クリント・イーストウッド
2006年 アメリカ
硫黄島で散った男たちから届けられる、世界へのメッセージ
「父親たちの星条旗」を観たのなら、硫黄島2部作のもうひとつ「硫黄島からの手紙」は観るべき、となるわけだが、個人的には「硫黄島からの手紙」は観ようかなと思っていたが、「父親たちの星条旗」はどうでも良かった。
しかし硫黄島2部作ということなので「硫黄島からの手紙」を先に観て詰まらなかったらきっと「父親たちの星条旗」は観ないだろう。
つまり、半分しか観なかったことになる。
これはなんとなく気分悪い。尻の座りが悪い。
便座が半分割れてなくなっているが、緊急事態につき半ケツ浮かせ気味にして用を足してしまった後、のような気分にきっとなるだろう。
まぁ、そんな気分を避けるため、期待値の高い「硫黄島からの手紙」に先駆けて慣らし運転のように「父親たちの星条旗」を観てから「硫黄島からの手紙」に着手。
>>内容<<
2006年、硫黄島。地中から発見された数百通もの手紙。
それは、61年前にこの島で戦った男たちが家族に宛てて書き残したものだった。
届くことのなかった手紙に、彼らは何を託したのか。
戦況が悪化の一途をたどる1944年6月、日本軍の最重要拠点である硫黄島に新たな指揮官、栗林忠道中将が降り立った。
硫黄の臭気が立ち込め、食べ物も飲み水も満足にない過酷な灼熱の島で掘り進められる地下要塞。
このトンネルこそが、圧倒的なアメリカの兵力を迎え撃つ栗林の秘策だった。
最後の最後まで生き延びて、本土にいる家族のために一日でも長く島を守り抜け–。
「死ぬな」と命じる栗林の指揮のもと、5日で終わると思われた硫黄島の戦いは36日間にも及ぶ歴史的な激戦となる。
61年振りに届く彼らからの手紙。そのひとりひとりの素顔から、硫黄島の心が明かされて行く…。
思っていた映画とは違ったが、感動を強要することなくあるべき終末に向けて進む演出は、良い意味で戦争映画らしくない。
栗林中将とバロン西(西竹一中佐)に用意されたストーリーも、獅子奮迅の大活躍的で米軍をバッタバッタとなぎ倒す的な演出はほとんどなく、その人となりに焦点が当てられているところに監督の手腕が伺える。
それにしてもアメリカの映画監督にこのレベルの日本を舞台にした作品を作られてしまうなんて、いったいどういうことだろう。
日本じゃ優れたドキュメンタリーはあってもヒットするのは「男たちの大和」だ・・・
「ハリウッド映画なんて」と思いつつも、アメリカ映画界の懐の深さを感じる一作だった。
硫黄島からの手紙 Letters from Iwo Jima
監督:クリント・イーストウッド
2006年 アメリカ
評価: