【映画】松ヶ根乱射事件

松ヶ根乱射事件松ヶ根乱射事件
監督:山下敦弘
2007年 日本
人間の情けない本音が出てきちゃう。

DVDは発売直後に買ったものの、なんだかんだと放置していてやっと観た。

>>内容<<
鈴木光太郎は事件らしい事件が起きないこの町で警察官をしている。
光太郎の双子の兄・光は家の畜産業を気まぐれに手伝っている。
ふたりの父親・豊道はダラダラした生活と性格が災いしてなんとなく自宅に居辛くなり、家出中。
母は父を怒るでもなく放置したまま。
モテるためには30万を迷わず出す幼馴染と、頼まれればすぐに下着を脱いでしまう娘……。
この町にはどこにでもいるような、でもちょっとおかしな住民が住んでいる。
ある日、どうも訳アリなカップル・西岡佑二と池内みゆきが松ヶ根へやってくる。
ひき逃げ、金塊、ゆすり、床屋の娘の妊娠…彼らの来訪をきっかけに、この町のバランスは微妙に崩れ始める……。

松ヶ根乱射事件個人的には大好物の群像劇な仕様。
山下敦弘作品で群像劇的なタイプは初めてなんじゃないかと思うが、作品のテイストは「リアリズムの宿」や「ばかのハコ船」の流れを汲む山下節で、田舎の閉塞した空気を上手に切り取っている。

この辺は得意中の得意とも云える表現なので、安心してクスクスとしていられるのだが、ちょっと鬱屈度が高密度過ぎるような。

また、登場人物の多さをまとめ切れていないように感じた。もう少し少人数でグッとまとまった濃密な、でもどこか抜けた感覚の方が個人的には好み。

以前のエントリー「【映画】山下敦弘監督最新作「松ヶ根乱射事件」公開」では、

個人的には山下敦弘監督作品だと「リアリズムの宿」が一押しだが、それを越える作品になってくれてることを期待。

と書いたが、観終わって「リアリズムの宿」が一押しは変わらなかった。

そのうちもう一回観るが、とりあえずはあと一歩。

松ヶ根乱射事件松ヶ根乱射事件
監督:山下敦弘
評価:stars
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