エイリアン4/Alien : Resurrection
監督:ジャン=ピエール・ジュネ Jean-Pierre Jeunet
1997年 アメリカ
テレビで放送していたのを録画して観たが、ジャン=ピエール・ジュネが監督したとは知らなくてもジュネだなとわかる作品が「エイリアン4」だ。
>>内容<<
『ロスト・チルドレン』のジャン・ピエール・ジュネがメガホンを握った、人気SFシリーズ第4作。
独特のビジュアル・センスを持つジュネ監督の、ゴシック調の映像美が秀逸。
シガニー・ウィーヴァー、ウィノナ・ライダー共演。
前作でエイリアンを宿したまま自殺を図ったリプリー。それから200年後、エイリアンを軍事利用しようとする軍部は、宇宙船に残されたDNAからリプリーのクローンを開発。彼女の体からエイリアンを摘出し、養殖をはじめる。
前作で終わったと思われた「エイリアン」だが、リプリーをクローンで復活させるという設定で再び登場することとなったが、これはちょっと強引すぎる。
そもそも「エイリアン」シリーズにリプリーという人物は必須なのだろうか? と思ってしまう。
しかし、ジュネのカラーが発揮された絵作りは秀逸。
リドリー・スコット、ジェームズ・キャメロン、デヴィッド・フィンチャーと続いたハリウッド大作に、これだけ色の強い監督を起用したのは個人的には冒険だと思う。
過去の監督3人と比べてもハリウッド大作との相性が良いとは思えないし、絵も観ればジュネとわかるほど作家性の強い監督なので、「エイリアン」の仕事をよく依頼したと思うし、請けたとも思う。
その絵作りに満足できれば「エイリアン4」はそこそこ楽しめる作品であるが、致命的な欠点がひとつ。
それは「怖くない」である。
残念ながら「エイリアン4」はシリーズを通じて最も怖くない作品だ。
「エイリアン」=「怖い」というのが観る側の前提であるし、「怖さ」を堪能できなければそれはもう「エイリアン」ですらないとも云える。
そういう点で云えば、この「エイリアン4」はシリーズで最低の作品なのだが、ジュネの作家性の強烈さと、無理矢理ながらもエイリアンとリプリーの関係を一大転換させる物語で、意外と楽しめた作品だ。
エイリアン4/Alien : Resurrection
評価:シリーズ中最も物語がある。
映像:作家だね。
物語:設定には無理があるが。
恐怖:怖くない。