ネコはニャーでイヌはワン

モンゴル語

思うに、イヌが喋る時、

「ボクは知らないワン!」

となるのは何故だろう?

ネコだと、

「ボクは知らないニャー!」

である。

カバは、

「ボクは知らないカバ!」

とは云わない。

ゾウは、

「ボクは知らないパオーン!」

ではなく

「ボクは知らないゾー!」

と何故か名前を使う。

動物が喋る時の語尾が変化する。
こういうのはいったい誰が考えたのだろう。

もう少し例をあげよう。

サルは、

「ボクは知らないウキッ!」

ゴリラは、

「ボクは知らないウッホッホ!」

んー、感じは出てるがちょっと怪しい。でもまぁアリっちゃあアリだ。

これをアメリカのイヌにすると、

「ボクは知らないバウ!」

ヘンだ。
サブカル系雑誌を想起させる。

気を取り直して、

「ボクは知らないバウバウ!」

ヘンだ。

さて、下記サイトをご覧頂きたい。

「アジアの動物の鳴き声」

これに倣うと、ベンガル語圏のイヌは、

「ボクは知らないゲウ!」

と喋ることになる。
なんか怖い。

カンボジア語圏になると、

「ボクは知らないウッ!」

喋ってる最中に刺されている。
実に緊張感が漂う語尾でウッ!

ニワトリ。
日本だと、

「ボクは知らないコケッ!」

である。

凄いのはモンゴルのニワトリだ。

雄鶏(オンドリ)は、

「ボクは知らないギゴー!」

だ。雄鶏が「ギゴー!」と鳴くのは衝撃的である。
これを確認するだけのためにモンゴルに行ってみたいとさえ思う。

だがモンゴルの大草原は侮れない。

雄鶏以上に雌鶏(メンドリ)が大変なことになっているのだ。

雌鶏だとこんなことになってしまう。

「ワタシは知らないゴド ゴド ゴデェードゥ!」

お前、いったい何者なんだ?

喋ってる最中に、口から得体の知れない凄いものが吹き出ている。
直視するのも恐ろしい物体が口から出てきてる、としか思えないのである。
それを浴びたら体が溶ける。溶解する。それくらいのものが出てきているのである。口から。マジで。ホンマに。

モンゴルの雌鶏には近づかない方が良い。うかうかしてると溶かされるぞ。

こんなモンゴルの雌鶏が卵を産み、それが育ち、中からとっても愛らしいヒヨコが登場しての第一声はやはりこうだろう。

「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」

ヒヨコじゃない。なんか凄い生き物だ。未知の。その姿は見たことあるモノに似てるけど、総合的には完全に違う生き物だ。

見たことないグロテスクな生物。巨大化。地球征服。人類皆奴隷。そんなイメージだ。

そんなモンゴルの祭りの日には、やっぱりヒヨコが売られていたりするのだ。

子供はお父さんに「ヒヨコさん買ってぇ〜!」とか甘えてたりするのである。

お父さんはお父さんで「しょうがないなぁ〜。ちゃんと世話するんだぞっ」「わーい! お父さん大好きぃ〜!」。

実にうるわしい光景だが、実際の現場は壮絶である。5.1chサラウンドで、

「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」

パニック必至。

それにしても強大な帝国を作った民族は、ニワトリの鳴き声からして違う。

想像してみよう。

チンギス・ハーンの軍は、戦闘が始まると一斉に敵に向かって叫んだ。

兵A「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
兵B「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
兵C「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
兵D「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
兵E「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
兵F「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
兵G「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
兵H「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
兵I「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
兵J「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」
兵K「ゴド ゴド ゴデェードゥ!」

ユーラシア大陸制覇も簡単だったに違いない。

※しっかし、征服された国の人も、アレが雌鶏の鳴き声の真似だと知ってたら征服されなかったのにネ!(違う)