【映画】みんなのしあわせ

みんなのしあわせみんなのしあわせ La Comunidad
監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
2000年 スペイン

アレックス・デ・ラ・イグレシアと云えば「どつかれてアンダルシア(仮)」である、というかそれしか観てないのだが、「マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾」も「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト ベビー・ルーム」も観るべきだと思うが、とりあえずタイトルからしてステキな「どつかれてアンダルシア(仮)」である。

>>内容<<
死んだ偏屈老人が隠し持っていた大金を巡って、同じアパートに住む住人と、偶然その事実を知った中年女との間で繰り広げられる壮絶な争奪バトルをブラックで荒唐無稽に描いたコメディ。
監督は「どつかれてアンダルシア(仮)」のアレックス・デ・ラ・イグレシア。
主演は「神経衰弱ぎりぎりの女たち」のカルメン・マウラ。
不動産会社で分譲アパートのセールスをしている中年女性ジュリア。なかなか思うように成績が上がらず少し落ち込み気味。
そんなある日、ジュリアはひょんなことからとあるアパートに住む一人暮らしの老人の死に遭遇する。
しかしこの老人、なんと3億ペセタもの大金を20年もの間隠し持っていたのだ。
ジュリアは偶然その事実を知り、アパートからの持ち出しを図るのだった。
が、同じアパートの住人たちもその大金の存在を知っていた。
しかも彼らはこの20年、老人が死ぬのを今か今かと待ちわびていたのだった……。

フリは少々かったるいのであるが、たくさんいる登場人物達が一斉に動きだしたらA級のナンセンスさを持つサスペンス映画に大変身。これはまさに「どつかれてアンダルシア(仮)」に通じるものがある。

もしかして監督アレックス・デ・ラ・イグレシアの得意技なのか。

5億ペセタ当たったハズが3億ペセタなのは謎だし、分譲アパートの内覧に来た客は真剣味が足りないし、アパートの住人たちはイライラするほど鈍いし、とツッコめばツッコむだけボロがでる作品だが、アレックス・デ・ラ・イグレシアの作品てそういう楽しみ方をするもんじゃなく、人間の厭らしい部分を不自然なまでにデフォルメしてみせているところが面白い。しかもアート風味じゃなく不器用でナンセンスなブラック風味で。

あと、「みんなのしあわせ」という邦題は実に良い。

原題は「La Comunidad」で「共同体」という意味らしいが、全然「みんなのしあわせ」の方が良いと思った佳作。

みんなのしあわせみんなのしあわせ La Comunidad
監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
評価:stars
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