【本】アバウト・ア・ボーイ/ニック・ホーンビィ

ニック・ホーンビィ著「アバウト・ア・ボーイ」の画像

アバウト・ア・ボーイ(About a Boy)

  • 著者:ニック・ホーンビィ
  • 出版:新潮社
  • 購入:Amazon

有名なクリスマス・ソングを作曲した父を持ち、その印税によって働くこともなく日々を過ごすモラトリアムなウィルと、ノイローゼ気味の母親を持ったがためか、同年代の少年が当たり前に知っていることを全く知らなかったりする少年マーカスとの奇妙な友情を描く一冊。

ウィル、36歳。仕事ナシ、する気もナシ。亡父の印税で悠悠自適。シングル・マザーとの後腐れのない関係に味をしめた彼は、シングル・ファーザーになりすまして、シングル・ペアレンツの会に乗り込んだ……。
マーカス、12歳。転校した学校は大問題。すぐ落ち込むママも大問題。ピクニックで出会ったお気楽独身男とお悩み少年は早速騒動に巻き込まれ脚
心温まる全英ベストセラー。

ニック・ホーンビィは「ぼくのプレミア・ライフ」や「ハイ・フィデリティ」をヒットさせた作家なんだけど、この3作に共通するのは、日常の出来事に根ざした非日常的な出来事を描いているってところ。実に普通で普通じゃない感じをこれだけうまく書ける作家もナカナカいない。

世間一般的には問題児であるマーカスと、世間一般的には人もうらやむ生活を営む実は問題大人ウィルとの微妙な距離感の交流は実に面白い。

ウィルはホーンビィの他の作品に出てくる大人と共通点が多く、相変わらずの巧さで描いているが、子供だって描けるぜ、という力量を示した代表作的な一作。

映画もなかなかいけます。

ニック・ホーンビィ著「アバウト・ア・ボーイ」の画像

アバウト・ア・ボーイ(About a Boy)

  • 著者:ニック・ホーンビィ
  • 出版:新潮社
  • 購入:Amazon

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