「お父さんのバックドロップ」みたいな映画を想像していたが、蓋を開けてみたら全然違いました。
かつてスターだった中年のプロレスラー(ミッキー・ローク)が、試合後に心臓発作で倒れ、医師から引退を宣告され、自身の人生を見つめ直す物語。ヴェネツィア映画祭金獅子賞、ゴールデングローブ主演男優賞受賞。
ミッキー・ロークのために構想され撮影されたほとんど自伝映画だろコレと勝手に思ってしまうくらい、ドキュメンタリー寄りにしたあくまでもフィクション映画という確信犯的な試みが見え隠れするのが「レスラー」という作品(と勝手に認定)。
スーパーの裏方やってたり惣菜コーナーで働きだしたりという顛末は、正真正銘のドキュメンタリー映画「アンヴィル」にも通じるものがある。だからドキュメンタリーっぽく見えるのだろう。
「レスラー」というストレートな邦題はよく合っているが、私的な邦題は「ミッキー・ローク伝~猫パンチ抜き~」としておきたい。おきたい。