マーティ/Marty
監督:デルバート・マン Delbert Mann
1955年 アメリカ
古い映画というのはえてして避けがちになるもんだが、古くて今も名前が聞こえてくる作品は時間による審査を経てきているのでなかなか面白いものが多い。
もちろん、今の目をもってするとヤボったいものもあるのだが、人間の機微を描いた作品にはハズレが少ない。時代が変わっても人間はそんなに変わってないからだろう。
そんな人間の機微を描いた秀作が「マーティ」である。
>>内容<<
NYで暮らす、自分の容貌にコンプレックスを持つ男女の淡いロマンスを綴った作品。
過保護に育てられたものの善良な青年・マーティと地味な女教師・クララがダンスパーティで知り合い惹かれ合い、お互いのコンプレックスを克服して結ばれるまでを描く。
自分の容姿に自信がなく母親とか知り合いとか友人とかに「結婚しろ結婚しろ」と散々云われながら結婚できなかったマーティ(アーネスト・ボーグナイン)34歳善良が、ついにイイ相手を見つけるという映画。
とめちゃくちゃ簡単に書いてしまったが、本当にそういう話なのである。
ただ地味な女教師クララ(ベッツィ・ブレア)とイイ感じになったらなったで、母親や友人には「あの娘は嫌いだ」「ブスだ」と云われてしまう始末で、まぁ、実際現実とはそんな理不尽なものなのかもしれないが、シンプルなストーリーに人生の深い意味を見いだせてしまうような良作。
アカデミー賞の作品賞・主演男優賞・監督賞・脚色賞受賞、カンヌ国際映画祭パルム・ドールなど、地味な作品のわりには肩書きがでかい。
また、それまでのアカデミー主演男優賞は、美男のスターが獲るというのが当たり前だったが、お世辞にも美男とは云えない顔と体型のアーネスト・ボーグナインが受賞したというのは、当時は驚きの出来事だったそうである。
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・マーティ/デルバート・マン