バウンティフルへの旅/The Trip To Bountiful
監督:ピーター・マスターソン Peter Masterson
1985年 アメリカ
息子夫婦と都会で暮らすおばあさんが、故郷に帰ろうと家出するが、故郷はあの頃とは違ってしまっていた。
故郷といえる場所があることのステキを感じる映画
テキサスで息子夫婦と暮らす老女キャリー。
気の強い嫁との口論に耐えかね、彼女は故郷バウンティフルを一目見たいと旅に出る。
だが、故郷の町は人が流出し、かつての我が家も荒れ地の中にひっそりとたたずむ廃屋になってしまっていた……。
老境の女性の心情を静かなタッチで描いた心温まる秀作。
話のスジとしては単純で、云ってしまえば地味な映画(あんまりレンタルで置いてなさそうだし、DVDも未リリース)なんだけど、あらゆる点で作り物を感じさせない自然な作品で、主演のジェラルディン・ペイジの見事な演技もあってとてもステキなロード・ムービー。
リンチの「ストレイト・ストーリー」(これもイイ)と比較されそうだけど、イイ意味でエンタテインメントしておらず、地に足のついた一本。最後にキューッときます。
ちなみに主演のジェラルディン・ペイジ(Geraldine Page)は、この作品で1985年度(第58回)アカデミー賞主演女優賞を受賞。