気狂いピエロ/Pierrot Le Fou
監督:ジャン=リュック・ゴダール Jean-Luc Godard
1967年 フランス/イタリア
深夜に観ていたので眠くなるかなと思ったが、まったく眠くならなかった。
が、ワケのワカラン映画である。ヌーヴェルヴァーグだそうな。
名作としての名声は十分なこの作品、タイトル(邦題「きちがいピエロ、と読みます」)のせいで地上波での放映は不可能だろう。
パリからフランスを縦断して南仏に向かう、フェルディナン(ジャン=ポール・ベルモンド)とマリアンヌ(アンナ・カリーナ)。
マリアンヌは彼をピエロと呼び、彼は「違う、フェルディナンだ」と答える。
パリを去るのは日常の悪夢から脱出するため。
だが、南仏に何があるのだろうか?
冒険活劇漫画『ピエ・ニクレ』を携え、愛と永遠を求めてさすらう2人。
ストーリーはあるようなないような、というか物語の流れが狂いまくってるわけで、ワケのワカラナイままに正体不明の男女が予想不可能な展開の逃避行のあげくどうにかなっちゃう、という映画だ。
青春映画にしてロード・ムービーであり破滅的映画。
人にオススメするわけにはいかんような作品なんであるが、グーッと観てしまうカリスマがこいつにはある。
こいつは映像の力(特に色使いとカット)なんでありましょうか。
アンナ・カリーナ(Anna Karina)のキュートさがゆえにでありましょうか。
ジャン=ポール・ベルモンド(Jean-Paul Belmondo)のかっこよさがゆえにでありましょうか。
ランボーの詩がそうさせるんでありましょうか。
とにかく、一度観始めたら逃げられない。
リマスタリングされたDVDで観れば映像はもっとキテるんでしょう。
それにしてもラスト・シーンの情けなさ、スゲー。
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