頭がよくなる照明術
結城未来
PHP研究所
この本によると、
日本にやってきた欧米人に日本の印象を尋ねると、ほとんどが「人は優しいし食べ物はおいしいし、最高! でも、照明だけは我慢ができない」と口をそろえて答えます。
であるらしい。
確かに、欧米の映画やテレビ番組で見られる住宅の照明と日本のそれは全然違ってる。
特にリラックスするスペースの照明の使い方は「欧米=オレンジ色で間接照明」「日本=白色で直接照明」が多い。
日本だと「オレンジ色で間接照明」は「オシャレさんの部屋」である(笑。
が、TPOにあわせて照明を使い分けよう、というのが本書「頭がよくなる照明術」の云わんとするところだ。間接照明はオシャレさんだけのものではないのである。(誰も云ってないよそんなこと)
>>内容<<
「ゆっくり休んだつもりなのに疲れがとれない!」
うつ、疲れ目、不眠…ストレスの一因は光にあり。
「がんばって働いているけれど、うまくいかない!」プレゼンの成功も、企画のひらめきも照明次第。
人間の脳をコントロールしているのは、じつは光。
ならば光を味方につけた「灯り脳」になれば、心も身体も安らぎ、眠れる潜在能力が開花する!
日本初の“灯りナビゲーター”が、意外と知らない照明の基本知識をやさしく解説。
家や職場ですぐに使えるちょっとした裏技で、快適な生活を約束する。
ビジネス成功の道を照らす光となる本。
タイトルの「頭がよくなる照明術」はここんところの脳トレブームにあやかっているのだと思うが、本書全体からすると「頭のよい照明術」という内容である。(もちろん「頭がよくなる照明術」という内容もあるが、これは時間帯による脳の働きと照明を組み合わせて最大限の効果を得るというもの)
まず、光のプロが使う技のポイントは3点。
- 光の色
- 光の高さ
- 光を当てる場所
活動的になる青白い色と、安らぎを与えるオレンジ色の使い分け。
人を活動的にさせる高い位置からの光。逆にリラックスさせる低い位置からの光。
直接照明なのか間接照明なのか。どこに光を当てるか。
基本中の基本だが、この3点を意識するだけで照明のクオリティは格段にアップする。
あとはそこから細かく使い分けるテクニックが述べられている。
最近のエコ・ブームにちなむと、
- 光の色の違いで体感温度が変わる。
が使える。
青白い昼光色の光の下だと、オレンジ色の電球色と比べると体感温度が約1度下がるので、夏は昼光色の光でエアコンの温度を1度上げる。逆に冬は電球色でエアコンの温度を1度下げるというようなことができる。
オレンジ色の電球色はだいたい電球を使うから電気料金が上がるので厳密にはエコとは言い難いが、光の色の違いで体感温度が変わるというのは色んな場面で使えるんじゃないかと思うし、この本には生活を豊かにする照明術がたくさん詰まっている。
とりあえず本書を読めば、明るければ良い的な照明に対する考えは改められるし、意外と簡単に実現できる照明術があるのも良い。
こうした本で一番重要なのは、素晴らしい効果よりも「簡単にできて続けられる」ことなんだと思うのである。
頭がよくなる照明術
結城未来
評価:
*関連テーマLink*
・【本】東京R不動産