先日、友人に誘われて中野ブロードウェイにあるゲーセンで「機動戦士ガンダム 戦場の絆」をプレイした。
こいつはガンダムファンの間では話題沸騰の「まるでモビルスーツに乗って戦ってる気分じゃないか」というゲームである。
500円で2playというのは実に高額な気がするのだが、実際にモビルスーツに搭乗して戦うとなると、10万倍以上の金がかかるに決まっているから、実は激安、タダみたいなもんである。(そんなことはない)
まぁ、バーチャル株ゲームで大儲けしているオレからすると、金額の多寡はどうでも良い。
で、友人のアドバイスに従い、とりあえずパイロット登録をする。
もちろんオレはジオン公国軍を選択。
個人的設定ではシャア・アズナブルの有能な上司である。
ゲームを始める前に店頭に置かれている「ゲーム解説書」を読む。
基本的にオレはニュータイプに決まっているから解説書の類を読まずともモビルスーツを自分の身体のように動かせるのだが、念には念を入れてすげー熟読。
なんでも初回プレイ時にはチュートリアルとして対CPU戦となるらしい。
コンピュータ相手では生きる死ぬの戦場感覚が乏しくなんとも気合いが入らないが、規則は規則だから抗ってもしょうがない。オレは軍人であるから、規則には従うのである。
順番が来たので搭乗。
友人は2回目なので、なにやら見知らぬ人とチームを組んで戦うらしい。まだモビルスーツが貧弱で迷惑をかけないかとしきりに心配していたが、大丈夫、すぐにニュータイプのオレが助けに行くよ。
500円を指定箇所にぶち込むと、オレの仲間と名乗る奴らが現れた。
「誰だお前・・・」
チュートリアルなので、仲間も敵もCPU。
仲間までCPUとは実に心許ない気分だが、オレが敵全員をぶちのめせば済む話である。なにせオレはニュータイプでありシャアの上司。
「敵が現れました!」
敵が現れたという場所まで歩いたりダッシュしたり飛んだりビルにぶち当たりながら移動して敵を発見。
軽くザク・マシンガンをヒットさせる。敵削られる。
更に近づいてヒート・ホークでどつく。
敵、よろける。
実に爽快。
というか、敵はヘッポコなジムである。
チュートリアルとは云えニュータイプのオレにジムは弱すぎる。
ガンダムだせ、ガンダム。せめてガンキャノン程度だせ。
ザク・マシンガンで更に目前のジムを削る。敵ジムの体力はもうゼロに近い。実に順調。あと2、3発お見舞いしたら爆発炎上だろう。
まずは1機撃破頂き、とニヤニヤしながら照準を合わせていると、横から知らない仲間が出現してヒート・ホークでオレの獲物を撃破。
「それオレのジム!」
酷い話である。遠慮というものはないのか。このゲームのタイトルは「戦場の絆」だぞ。き・ず・な。お前がやったことはまさにジャイアンだよ!
人の手柄を横取りするような仲間は要らんのである。
しょうがないから次の獲物を探す。
ビルに接触しながら見つけた次の獲物に狙いを定めてマシンガンを撃つ。
すると敵が振り返ってビーム・スプレーガンを撃ってきた。
こしゃくな。
知ってるか? オレはニュータイプ。シャアの上司。
すると目の前のジムは撃ってないのに撃たれた衝撃が。
「右から敵です!」
親切にもコックピットのお姉さんが教えてくれた。
実に親切。多分、こんなに親切なのはオレがニュータイプだから。しかもシャアの上司。
ヨッコラショと右に旋回すると、ジム。
「左から敵です!」
知ってるよお姉さん。右に旋回したからさっき前にいたのが左になったんだ。オレはカシコだからそれくらい瞬時にわかる。すごい判断力。まさにニュータイプ。そしてシャアの上司。
「前から敵です!」
旋回したからね。
「左から敵です!」
前から左から攻撃を受けているみたいだが、とりあえず目の前のを屠るとしよう。
「後ろから敵です!」
なにー!
っつーか、仲間はどうした! 絆はどうなった! どこで弁当食ってサボってんだ!
「前から敵です!」
「左から敵です!」
「後ろから敵です!」
うるさいよ! 何回も云わなくていいよ!
「前から敵です!」
「左から敵です!」
「後ろから敵です!」
「前から敵です!」
「左から敵です!」
「後ろから敵です!」
「前川清です!」
「左卜伝です!」
「うしろの百太郎です!」
「前川清です!」
「左卜伝です!」
「うしろの百太郎です!」
つーか、仲間どこ! 絆どこ!
「前川清です!」
「左卜伝です!」
「うしろの百太郎です!」
「前川清です!」
「左卜伝です!」
「うしろの百太郎です!」
ジオン公国軍 中野特車二課 民間人 naru 殉職。
二等兵に昇進。ザク・バズーカー貰いました。
絆は感じませんでした。
*関連テーマLink*
・【Game】「ガンダム無双」ときたか。
・【映画】機動戦士ZガンダムIII -星の鼓動は愛-
・【映画】機動戦士ZガンダムII -恋人たち-
・【映画】機動戦士Zガンダム-星を継ぐ者-