ウケる技術/
小林昌平、山本周嗣、水野敬也
オーエス出版
本書は、今まで世の中に存在した何千何万というビジネス書、自己啓発書の類の本では、おそらく一度も体系化されることのなかったスキルの解明を試みた、まったく新しいコミュニケーションの教科書です。
あらためて「ウケる」人の無数の会話を地道に整理していくと、誰でもマネすることができる有限のパターンの組み合わせに分解できることがわかってきました。
現実の「ウケる人」たちは、財力や美貌といった得がたい才能ではなく、意欲と努力により上達可能なコミュニケーション能力をもって、豊富な人脈を築き、充実した人生を送っています。
読者の方々も「ウケる人」の会話パターンを学ぶことによって、「笑い」を武器に人間関係を切りひらくコミュニケーターへと成長し、ビジネスや恋愛がもっとスムーズに、もっとうまくいくようになるでしょう。
とにかく人にウケる話術はサービス精神から始まると本書は説いている。
(これはみうらじゅんの「親孝行術」と同じ精神だ)
が、べつに精神論的なことがみっちりと書かれているわけじゃあない。
ウケる技術を分解しカテゴライズして、ウケない会話(before)を、ウケる理論という処方箋によってウケるようにする(after)、というのが本書の目論見である。
だからここに書かれているテクニックをたゆまぬ訓練で身につけ、ウケる技術をものにすれば、アナタの会話のウケは格段によくなるだろう。
だが、恋愛術の本を読んでも読んでもうまくいかない人がいつまでたってもうまくいかないように、実際のところウケることもそんなにうまく身につくわけでもないと思う。
が、お互い頑張りましょう。まず文庫化間違いなしの一作(と書きつつ文庫化された様子はない)。