【映画】ドッグヴィル

ドッグヴィルドッグヴィル/Dogville
監督:ラース・フォン・トリアー Lars von Trier
2003年 デンマーク
美しき逃亡者があらわれ、一つの村が消えた。
審判の日がくる。

賛否両論の作品。

>>内容<<
ロッキー山脈の麓に孤立する村ドッグヴィル。
ある日この村の近く、ジョージタウンの方向から銃声が響いた。
その直後、村人の青年トムは助けを請う美しい女性グレースと出会う。
間もなく追っ手のギャングたちが現われるも、すでに彼女を隠し、その場を切り抜けるトム。
彼は翌日、村人たちにグレースをかくまうことを提案した。
そして、”2週間で彼女が村人全員に気に入られること”を条件に提案が受け入れられる。
そうしてグレースは、トムの計画に従って肉体労働を始めることになるのだが…。

床に家の敷地や道を示す白線を引き、少しの家具を置いただけというセットをひとつの小さな村ドッグヴィルに見立て、そこに迷い込んできた一人の女性と村人との関係を生々しく切り取った作品。

3時間程あるという長編映画だが、9章に分かれているので、思うほど長くは感じられなかった。

しかし、この作品は問題作だろう。
人間の嫌な面をこれでもかと提示してくる。
マトモな人間はどこにもおらず、でもマトモな人間てのはなんだ? という疑問も生じたりする。

好き嫌いの大きく分かれる作品だろうが、オレはかなり「好き」である。

人間がここまで醜悪なのかどうかは、その局面になってみないとわからないが、人間の姿のひとつを表していることは確かだろう。

抽象的なセットを組むことで人間の醜悪さを露骨に見せられてもいるが、抽象的セットが故に精神的逃げ場もある。これは監督の巧妙な仕掛けだろう。

あと、撮影方法がなかなか面白いので、できればメイキングが入っているのを観るのがオススメ。併せて観たドキュメンタリー「ドッグヴィルの告白」は、いまひとつ食い足りない作品だと思った。メイキングの方がよっぽど面白い。

ドッグヴィルドッグヴィル/Dogville
監督:ラース・フォン・トリアー Lars von Trier
評価:stars
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*参考Link*