特に最近のTVのバラエティ番組で顕著になってきていると感じるのだが、笑う時に手をたたくという動作はいつから始まって広がったのだろうか。
少なくとも私は笑いながら手を叩くことはないから、自然に手をたたきながら笑っている人の動作がとても不思議に見える。
別にそれが嫌だとかそういうのはないのだが、自分にはない動作だから「つきあいで笑っているのかな」と思えてしまう時もあるのだ。
少し見方を変えると、人気テレビ番組「アメトーーク!」のように、ひな壇に芸人がいっぱいいてトークで盛り上がるような番組を見ていて、笑いながら手をたたく芸人がいると、リアクションのテクニックとして(大きなアクションをすることで画面にぬかれるように)やっているように見えてしまうことがあるのだ。
そこで調べてみると、こういうページがあった。
要はこういうことである。
チャド・マレーンの漫才を見て実験。
日本人は手をたたくが外国人は手を叩いていなかった、また日本人でも手をたたいていたのが若い人だけだとわかった。
前の漫才と昔の漫才のビデオを見比べて、なんで笑うと手をたたくかを調査。
高橋直樹さんが1980年代からテレビの影響を受けていると解説。
実は「すイエんサー」 ((NHK Eテレの教育バラエティ番組・教養番組))のこの回はたまたま見ていた。(もう1年以上前の放送なんだな)。
で、なんでチャド・マレーンの漫才なの? という疑問は置いておいて、この番組内では「テレビに映っていた観客が笑う時に手をたたいていたのを見た視聴者が手をたたくようになった」と結論づけていて、「その結論はめちゃくちゃ過ぎるだろ。その観客はどこで手をたたくことを仕込まれたんだよ」と番組放送中に憤った記憶がはっきりとある。
鶏と卵以前の問題で、NHKの番組制作スタッフがこの結論を疑問に思わなかったのが不思議であった。
ただし、笑う時に手をたたく人とたたかない人の間には世代による線引ができる、ということはこの番組でわかった。
ちなみに私の世代は手をたたかない世代に入っていた。
結局、「すイエんサー」では、世代の話が有益なだけで、結論としては納得のいくものが得られなかったのだが、実は、
「テレビに映っていた観客が笑う時に手をたたいていた。それを見た視聴者が手をたたくようになった」
ではなく、
「テレビに映っていた有名人(芸能人)が笑う時に手をたたいていた。それを見た視聴者や観客が手をたたくようになった」
のではないかと勝手に推測。
そこで個人的な記憶をさかのぼって手掛かりを探してみると、笑う時に手をたたく有名人で最初にでてきたのが久本雅美であった。
笑う時に手をたたく最古の有名人は、私の中では久本雅美
そう云われればそうかも、と思う人も結構いるのではないだろうか。
で、「すイエんサー」での検証にあった「笑う時に手をたたく」というのが80年代に急速に広がっている、というのと、久本雅美がメジャーになる時期というのも微妙に重なっている。 ((こういう時だけ信用できんと云った「すイエんサー」を持ちだすのもなんだが。。。))
他にも笑う時に手をたたく有名人って関根勤とかも古そうなんだけど、昔はそういう違和感を感じた記憶がないので、久本雅美後のことなんだろうと思う。
多分、関根勤の「笑いながら手をたたく歴」は結構短いはず。ホントのところは知らんけど。
上記なんかを見ると、
日本の女性で、初めて、アクションとして、拍手をしたのは、欽ちゃんの番組での中原理恵さんじゃないかと思っています。
というコメントも。
中原理恵が笑う時に手をたたく有名人の元祖?
云われてみれば、確かにそんなリアクションしていたような気もするし、時期的には80年代初頭なので、一番早い。
久本雅美(と関根勤)は80年代中頃から活躍しだしたので、中原理恵が元祖だろうか。
ただ、中原理恵は「欽ドン!良い子悪い子普通の子」 ((「良い妻 悪い妻 普通の妻」で「よし子」「わる子」「ふつ子」の三役を演じた))というお化け番組で人気を博したものの、バラエティというジャンルでの活躍期間が短いので、このアクションがお茶の間に浸透するほどの影響力はなかったようにも思う。
やはり、活躍している期間が長く、かつ、フリートーク系やMCとして活躍したバラエティ番組が多い久本雅美に分があるようにも思うが、結論としては、中原理恵が種をまき、久本雅美が育てた、という線が妥当ではないだろうか。。
と、勝手に考察してみた。
信じるも信じないも無視するもあなた次第です。