【映画】カポーティ

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カポーティ コレクターズ・エディション(Capote)

 監督:ベネット・ミラー
 出演:フィリップ・シーモア・ホフマン
 
 何よりも君の死を恐れ、誰よりも君の死を望む。

土曜日に恵比寿ガーデンシネマに「カポーティ」を観に行った。

「ティファニーで朝食を」で有名なトルーマン・カポーティが、ノンフィクション・ノベルの金字塔「冷血」を完成させるまでの伝記的映画。

この作品でカポーティを演じたフィリップ・シーモア・ホフマン(Philip Seymour Hoffman)は、アカデミー主演男優賞(2005年)を受賞。

この作品については TBS「CBSドキュメント」 で取りあげられていて、フィリップ・シーモア・ホフマンは好きな俳優で、映画の内容にも興味を持ったが、手堅く作られた好作品で期待を裏切られなかった。

「CBSドキュメント」では実物のカポーティの映像も見られたが、フィリップ・シーモア・ホフマン演ずるカポーティは見た目も話し方も実にそっくり。

だもんだから物真似と見られる可能性もありそうだが、演技も素晴らしいのでその辺は誤解なきように。

1959年11月15日、カンザス州ののどかな田舎町で一家4人惨殺事件が発生する。
翌日、ニューヨークでこの事件を知った作家カポーティは、これを作品にしようと思い立ち、すぐさま現地へと取材に向かう。
同行した幼なじみのネルと共に事件現場や関係者を訪ねて回るカポーティ。やがて2人の容疑者が逮捕されると、カポーティは彼らへの接近を試み、その一人ペリー・スミスの不思議な魅力に創作意欲を刺激される。
そして、ペリーとの面会を重ねる中で次第に彼の信頼を得ていくカポーティだったが・・・。

カポーティは犯人の一人ペリー・スミスに接近し、彼の信頼を得て事件に迫るが、スミス自身にも不思議な友情を抱くことになる。

カポーティは彼が生き続けること心の中どこかで願いながらも、傑作となるべき作品「冷血」を完成させるためにスミスに嘘をつき、彼の死をも願うという自分に苦しむこととなる。

結局、カポーティはスミスを裏切り、「冷血」という作品で作家としての成功を手にするが、その後、カポーティは一切の作品を残すことができなかった。

作品中のカポーティがスミスのことを「同じ家で生まれ育ち、彼は裏口から出ていったんだ。」と語るように、同性愛者であるカポーティは、ペリー・スミスを恋愛の対象として見ていたというよりも、おそらく似た人間であることを感じ、スミスの死がカポーティの中のなにか(作家としての才能)を殺すことになった、ということなのだろう。

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