韓国・北朝鮮の嘘を見破る―近現代史の争点30
鄭大均/古田博司
文藝春秋
韓国・北朝鮮と日本を巡る問題は色々あり、それに関する書籍もたくさんある。
日韓関係(日朝関係もそうだが)がこじれると「反韓・嫌韓」的な本が増えるし、その逆もある。
国と国とのことなんで、なにもかもわかりあって仲良く、というわけにはいかないだろうが、お隣さんのことをなにも知らないというのもみっともないないし、云われっぱなしというのも情けない。
そこでまずなにから読み始めるかとなるわけだが、「韓国・北朝鮮の嘘を見破る―近現代史の争点30」はわかりやすくてなかなか良い本だろうと思う。
>>内容<<
戦後補償、慰安婦から竹島、拉致、在日問題まで。
ソウル・ピョンヤンから発射された虚偽の言説を徹頭徹尾、論破。
「韓国のナショナリズムは健全だ」と言われたら
「天皇を『日王』と呼んで、何が悪い」と言われたら
「植民地時代は収奪・搾取の時代であった」と言われたら
「韓国内の『親日派』は国賊である」と言われたら
「日韓併合は無効だ」と言われたら
「創氏改名で民族名を奪われた」と言われたら
「日帝は朝鮮語を抹殺した」と言われたら
「朝鮮半島の鉄道は搾取のため日本が敷設した」と言われたら
「『従軍慰安婦』は日本軍に連行された」と言われたら(他)
「○○○」と言われたら、という各章のタイトルはつかみとしてはなかなかイイし、取りあげている範囲も広い。
執筆者もそれぞれの専門家で、内容も要点を押さえたわかりやすいものになっているので、まずは広く浅く知ることができる。
全体的には歴史的資料に裏付けされた科学的な内容で、「○○○」と言われた場合の答えになっているので、知っておいて損はないのだが、倉田真由美が書いた「『ヨン様ドラマに感動した』と言われたら」については、番宣用のダイジェストしか見ていないのにダメだしというのは、ちょっと筆が走り過ぎだろう。
ダメだしの内容も論理的ではないし、実に感情的・感覚的なものが多分に含まれている。これでは歴史観で対立する韓国・朝鮮と同じ態度なんじゃないかなー、と思った。
それ以前にもう終わった感のある韓流ドラマをテーマに入れるのは、他のテーマの質と比較すると微妙だ。
韓国・北朝鮮の嘘を見破る―近現代史の争点30
鄭大均/古田博司
文藝春秋
評価:
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