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人がさも当然とばかりにする日常的行為を、町田康はできないし、したくもない。
しかし、それでは世の中に受け入れられず、人気商売だけに受け入れられなければCDも売れず、よって飯も食えない。
それでは困るとばかりに、町田康は街にでて俗人的行為の真っ直中に身を投じる。
時にそれは新発見に繋がるのだが、CDはやっぱり売れないと嘆き逆ギレし諦め超然と偏屈の谷底にある自分の居場所に舞い戻る。
新発見もなにもなく、俗人的行為に打ちひしがれたとき、やはり偏屈の谷底に帰参する。
あれこれと偏屈を並べて右往左往する町田康は、その様だけでエンターテインメントであるし、その様に至り達する心情を書き連ねた「耳そぎ饅頭」は、それだけで十分に面白いエンターテインメント・エッセイである。
ちなみに解説は井上陽水で、彼のまとまった文章を読んだことがないのでわからないが、町田康を意識したかのような文体で書かれている。残念ながら町田康と比べるとちっとも面白くないのだが。
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