幼年期の終り
アーサー・C・クラーク
早川書房
思えばアーサー・C・クラークの名前はよくよく承知してるけれども、読むのは初めてだった。
特にSFをよく読む方ではないが、御三家のロバート・A・ハインラインなら「夏への扉」「宇宙の戦士」、アイザック・アシモフなら「銀河帝国興亡史シリーズ」あたりを読んでいたので、当然、名前を知っているアーサー・C・クラークも1冊くらいは読んでるだろうと思ったら大間違い。
というわけで、人生初のアーサー・C・クラークを読むは「2001年宇宙の旅」ではなく「幼年期の終り」である。
>>内容<<
異星人の宇宙船が地球の主要都市上空に停滞してから50年。その間、異星人は人類にその姿を見せることなく、見事に地球管理を行った。
だが多くの謎があった。
宇宙人の真の目的は? 人類の未来は?
巨匠が異星人とのファースト・コンタクトによって新たな道を歩みはじめる人類の姿を描きあげた傑作!
SF史上に残る傑作とされている本作は、その冠に違わぬ傑作であった。
人類上に突如出現した科学的にも生物的にも遙かに進化した「オーバーロード」は緩やかに人類を支配。
彼らは世界から貧困や争いを一掃し、人類はいまだかつてない平和と繁栄を謳歌するのだが、オーバーロードの目的は1世紀に渡って明かされない。
その謎の目的が明かされたとき、人類はいかにして生きるのか。宇宙のいかなる存在になるのか。
テーマは実に哲学的。SFの体を借りたアーサー・C・クラークの哲学書のようでもある。
今読んでも50年以上前に書かれた本とは思えない面白さ。
読みやすさと壮大なスケール感を踏まえてSF入門にオススメ。
幼年期の終り
アーサー・C・クラーク
評価:
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