将棋に詳しい&強いわけではないけれど、正真正銘の弱肉強食な世界の将棋界の話は、宝島社の「戦う将棋指し」シリーズを読んで以来の大好物なので読んでみた。
プロよりも強いスゴイ奴がいた!“新宿の殺し屋”と呼ばれた将棋ギャンブラーが、闇の世界で繰り広げた戦いと破滅。日本一の真剣師を決める通天閣の死闘など、壮絶な軌跡を描く傑作評伝。
真剣師というのは賭け将棋をする棋士のこと。
パトロンみたいな人を連れてきて、自分の勝ちに賭けさせるらしい。
一時期は元真剣師のプロ棋士もいたようだが、今は、いないんじゃないかなー。
時代も時代だから真剣師も成立しづらいだろうし。
さて主人公の最後の真剣師、小池重明だが、将棋指しとしての怪物っぷりと、どうしようもない人間性のアンバランスさは、「人間ドラマ」としては十分すぎるほどインパクトあり。パトロンの店の金を持ち逃げするわ新車は盗むわでやりたい放題なのに、困ったら被害者であるパトロンのもとにシレッと現れる。それを怒るに怒れないパトロンの心情はわからないが、殺したいけど憎めない的なところだろうか。
とにかく、将棋に興味があったらこれ必読。
棋士の面白い話と云えばこれも必読。
伝説のネット棋士の正体に迫る! – 俺の邪悪なメモ
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真剣師小池重明 (幻冬舎アウトロー文庫) 団 鬼六 幻冬舎 |