【本】人生解毒波止場/根本敬

根本敬著「人生解毒波止場」の画像

人生解毒波止場

 根本敬の「人生解毒波止場」を久しぶりに読んだ。

単行本を持っているのだが、文庫版のあとがきが激烈に面白いとの情報をどこからか知ったので、文庫を購入して頭からありがたく読ませて頂いた。

次々に現われる異形の怪物たち。生ゴミを食らうゴミ屋敷老婆、悪魔のようにとり憑く巨乳女、包皮を食う究極のマゾヒスト、銀座の画廊で個展を開いた大阪の路上生活者、襲名を約束され特訓中という自称三代目タイガーマスク、警察との阿吽の呼吸を語る前科二十三犯の男…くだらなく醜悪でありながら、無類の面白さを放射する人間エッセイ。

まぁ、とにかくこの世の人とは思えない麗しき方々が続々と登場するが、電波系とかゴミ屋敷とかはここから(というか連載していた宝島)発信されたので、ある意味、ワイドショーのネタ宝庫でもある。まぁ、放送できない高貴な方々ばっかりだけど。

んで、あとがきは期待通り面白かった。既に本書の単行本は持っているのだが、このあとがきだけのために購入しても損はないと思う。

さて、根本敬の作といえば漫画であれば史上最高の野球漫画であり人生ドラマ漫画である超絶名作「天然―完全版」や「ミクロの精子圏」を含む「亀ノ頭のスープ」だし、テキストなら「内田研究とビッグバン」という究極かつ至高のルポを収録した「因果鉄道の旅 (幻冬舎文庫)」や最高の韓国レポート「豪定本 ザ・ディープ・コリア」が絶対的なおすすめなのだが、根本ワールドの入口として本作もおすすめ。

ぜひ、この世界にいらっしゃい。

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人生解毒波止場