【本】汚れた金メダル―中国ドーピング疑惑を追う/松瀬学

「汚れた金メダル―中国ドーピング疑惑を追う」松瀬学(文藝春秋)汚れた金メダル―中国ドーピング疑惑を追う
松瀬学

文藝春秋

中国女子水泳選手の尿に奇妙な物質が発見された。これまで見たこともない物質だ。1994年9月ローマで開かれた世界水泳選手権大会、中国女子水泳陣は、全16種目中、12種目で金メダルを獲得、アトランタ・オリンピックへ照準をさだめる。が、圧倒的な強さの秘密には薬物の投与があるのではないかと疑問を抱いた科学者たちがいた―。薬物に手を染める中国選手と摘発に網を張る科学者たちの息詰まる攻防―。全く新しいスポーツノンフィクションの誕生。

1994年、ローマで開かれた世界水泳選手権大会で、中国女子水泳選手は16種目で12個の金メダル(銀銅を合わせると15種目で19個のメダル)を獲得するという圧倒的な力を見せつけた。
しかし、検査で中国女子水泳選手の検体から奇妙な物質が発見された。ドーピングが疑われるが、実証はできず、直後に広島で開催されるアジア大会に結論は持ち越される。

広島では大会直前の抜き打ちドーピング検査を行うという異例の対応が行われ、漢方薬を使った巧妙なドーピングが発覚し、前代未聞の数の選手がメダルを剥奪されるに至る。

中国と云えば、陸上界での馬軍団の強さも記憶にあるが、今では見る影もない。調べてみると、やはり水泳と同じような問題があったために、馬軍団の主力選手は壊滅状態となったようだ。

※この本、良書にも関わらず絶版になっていて、定価の3倍くらいの値段で古本が出回っている。どうしても読みたかったので、探しまくって定価並みの値段で買うことができたが、イイ本なのでさっさと文庫化して欲しい。

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