作品情報
- 監督・脚本:沖田修一
- 出演:高良健吾、吉高由里子
- 公開:2013年
- キャッチ:出会えたことが、うれしくて、可笑しくて、そして、寂しい――。
感想
「ある時期ものすごく仲が良かったのに、いつの間にか疎遠になってしまって、今ではどうしているかもわからない友人」「でもふとしたタイミングで思いだすと記憶の中でものすごくいきいきと輝いていて、ついつい笑みがこぼれるのをとめられない友人」の話という設定がとても良かった。
長崎の港町で生まれ育った横道世之介、18歳。この春、大学進学のために上京。少々お人好し過ぎるものの、明るく素直な性格で周囲の人々を魅了していく。そんな世之介は、入学式で出会った倉持一平や同級生の加藤雄介らと友情を育む一方、年上の女性・片瀬千春に片思いをしたり、あるいはお嬢様の与謝野祥子との間に淡い恋が芽生えたりと大学ライフを謳歌していくのだが…。
原作は未読。
もう横道世之介(高良健吾)と与謝野祥子(吉高由里子)の組み合わせは神。
なにこのケミストリーって。
やりすぎだけどもっとやりすぎてくれってお願いしたくなる。
もうもうファンタスティックすぎて、オフビートな青春コメディドラマがファンタジーになっていた。特に雪のあのシーンはポール・トーマス・アンダーソンの「パンチドランク・ラブ」に匹敵する名シーンだと思うし、カーテンのシーンもそうだし、まぁ、2人がでてくるシーンはどれもファンタジー。
以下、ややネタバレ気味。
世之介の母親(余貴美子)のナレーションは個人的には好みではなかった。1987年以降の世之介の世界が広がっていくような、切ないだけではないその後の世之介ワールドの明るい広がりをイメージさせるようなあの映像だけで十分じゃないかなと。
また、あの事件についても、実際の事故と繋がりすぎていて、映画の世界にどっぷりと浸かっていたのが一瞬現実に引き戻される感覚を覚えた。
いかにも映画なスペシャルなできごとなんか起きないけれど、160分の長尺が物足りないくらいに愛おしくなる傑作。
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