藍色夏恋/藍色大門 Blue Gate Crossing
監督・脚本:イー・ツーイェン Yee Chin-yen
2002年 台湾/フランス
誰にも言えない、初恋がある…
覚えていますか
初めての恋の痛みを。
思春期の3人の男女の淡く切ない恋模様を綴った青春ドラマ。
女子高生のモンは親友のユエチャンに頼まれ、彼女が想いを寄せるチャンにラブレターを渡す。
しかし、差出人の名がモンだったことから、チャンはユエチャンでなくモンに好意を抱き始め…。
親友が思いを寄せている同級生に告白されて戸惑う女子高生の青春映画。
この女子高生はある秘密を抱えていて、その秘密が故に戸惑うわけだが、映画としては切なさの方向に引っ張っていって成功したと思う。
原題は「藍色大門」(英題「Blue Gate Crossing」)となっており、これは大人への通過儀礼といった意味を含んでいるらしいが、邦題は「藍色夏恋」というしょうもないものに変えられている。
恋の話は確かにあるが、これって本当は恋の話じゃないと思う。
ある青春の話であって、恋は青春を語る最適な材料でしかない。
で、「藍色の夏の恋」ってなによ? だ。
適当にタイトルつけるのは勘弁してもらいたい。
「誰にも言えない、初恋がある… 覚えていますか 初めての恋の痛みを」というコピーも良くない。
メインとなる登場人物は2人+1人。
それぞれのキャスティングが素晴らしい。
ああ、センスあるなと感じる配役だ。
実に良心的に作られた青春映画の佳作。
「ロボコン」辺りとは違った高校生の切り取り方は今の日本では難しいのかな。
現実的じゃないし。
ああいうの日本(や韓国)で作ったら登場人物が泣き叫んだりして重厚長大さを狙った陰気臭いものができそうだ。
もちろんそういうのも好きだが、サワヤカなのもやっぱりイイ。
今、青春の人よりも、昔、青春があった記憶のある人にオススメ。
Amazon:「藍色夏恋/藍色大門」イー・ツーイェン