[amazonjs asin=”4167591049″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”なにも願わない手を合わせる (文春文庫)”]
何気に藤原新也の本は結構な数を読んでいる。
大好きな作家という意識はないのだが、軽い内容じゃないのにどんなテンションの時でも読める「時と場所を選ばない作家」として藤原新也は私の中で貴重な存在なのである。
>>内容<<
肉親が他界するたびに四国巡りをする。
そんな著者が壮絶な兄の最期に立ち会い、波立つ心を抱えて訪れた三度目の四国への旅は…。
薬王寺の境内に立つ地蔵菩薩に兄の顔が重なり、三十六番札所の青龍寺で祈る幼女の姿に「無心」の境地をみる。
愛する者の死をどう受け入れるか、いかに祈るのか。足取りを記した四国巡礼地図付き。
まず「なにも願わない手を合わせる」というタイトルがよい。
肉親が他界すると四国巡りをする藤原新也は、札所を訪れても手を合わせないという。
祈る、という行為を見ていると、おおむね自己救済を目指していると感じるのがその理由で、そこに人間の救いがたい業を感じると云う。
しかし、ある寺で幼女の「なにも願わない。そしてただ無心に手を合わせる。」という無心な祈りと出会い、そこに本当の祈りの姿を藤原新也は見つけるのである。
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