世界の四バカは「万里の長城」「ピラミッド」「戦艦大和」「新幹線」
東海道新幹線が計画された頃に反対派から浴びせられた言葉だ。
「万里の長城」や「ピラミッド」は建設当時には国力を疲弊させるほどの建築物だったかもしれないが、今では貴重な文化遺産だ。
「戦艦大和」は戦後間もない時期でもあったから、無用の長物の代名詞としてよく使われていたのだろう。
そこに「新幹線」が入るというのは、今の感覚からすると違和感があるのだが、計画当時の人々にとっては、電車ではなく自動車や飛行機の時代が予感される頃、莫大な費用のかかる新幹線は、制空権の時代に「戦艦大和」を作ってしまった失敗を思い起こさせたのだろうか。
鉄道史上に残る傑作「デゴイチ」と「新幹線」。
過去と未来、戦前と戦後、正反対の二つの乗り物を、計画し、設計し、実現させた20世紀日本最大のエンジニア・島秀雄と夢の超特急の物語。
今となれば東海道新幹線は、国鉄を支え、JRでもドル箱路線である。
更に云えば、新幹線という長距離高速列車の誕生は斜陽化する世界の鉄道を救うことにもなった。
が、いま計画されたり作っている新幹線とかは、東海道新幹線建設当初の理念とはかけ離れちゃっているのだろうな、と思ったりもした。