実録・外道の条件
町田康
角川書店
「ダ・ヴィンチ」に連載されていた(らしい)町田康の短編集が文庫化されていた。
読んだのは単行本の方なので、文庫には加筆訂正ならまだしも書下ろしが含まれているやもしれないが、それは知らぬ存ぜぬままに感想を書くのだが、この感想自体、昔に書いたものである。
>>内容<<
許さん。復讐の鬼と化した俺は三年間洞窟にこもって本稿を書き綴った--。
約束の場所に行ってもおらず、携帯に電話してもつながらない記者。
撮影現場で目もあわせず、紹介されても挨拶もろくにできないヘア&メイク。
などなど以下延々と続く。鞭無能な各種マスコミ、業界人へ怒りの町田節!
まとめるに、業界と呼ばれるところに巣食う人間たちの無能っぷりに対する怒りを、意外な小心を込めつつ唾棄をこめた文字にのせまくった作品である。
登場人物のことごとくを町田は嫌い、嫌うが過ぎて読者にはトンデモなく魅力的な人物たちに見えてきてしまうのはコレいかんともしがたい。
実際、自分の近く居たらイヤだが、町田康の近くに居るのならばどんどん遠慮なく居てくれい(特に富山しゅず子)、という人物ばかりなのである。
そういう効果を町田は望んじゃいないのだろうが、私にはそういう効果があった、と云いたい。直接云いたい。
実録・外道の条件
町田康
評価:
*関連テーマLink*