サイレント・ランニング/Silent Running
監督・製作:ダグラス・トランブル Douglas Trumbull
1972年 アメリカ
宇宙のかなたに森がある。
青年とロボット“デューイ”の孤独な戦いを描いた幻のSF
「2001年宇宙の旅」「未知との遭遇」「スター・トレック」「ブレードランナー」の特撮を手がけたダグラス・トランブルの初監督作品。
アメリカでまったくヒットしなかったため、日本では10年以上経ってから公開されたという作品。
こういう経緯のある映画は、当時ヒットしなかったけれど今観れば傑作! というのが多いが、これもご多分に漏れず、SF映画ファンの間では評価の高い作品。
舞台は地球上の植物が全滅してしまった時代の巨大宇宙船。
地球緑化計画のために植物や動物が、宇宙船のドームの中で育てられていた。
だが地球政府から計画の中止が命じられ、植物学者のローウェル(ブルース・ダーン)達はドームを爆破しなければならなくなる。
しかしローウェルはドームを爆破しようとする仲間を殺し、宇宙船ごと逃亡する。
古い作品にありがちなのだが、キャラ設定やストーリーの展開にしまりのない映画。
映画の設定だと科学技術は相当進んでいるように見えるが、登場するロボット達は実に性能が悪そうで(人間の会話を普通に理解するところを除く)、科学技術の進展具合のマッチングが全体的に変である。
まぁ、それはそれでストーリーさえ面白ければ問題ないのだが、こちらもあまり面白いとは云えない。
環境破壊がテーマにあるのかと思いきや、途中から主人公とロボットとの交流がメインになってきて、この映画がなにを云いたいのか全然わからなくなる。
主人公ローウェルの自然を愛する男とは思えないくらい自分勝手な性格と行動は、ある意味驚愕に値するが、ラストシーンの凹んだジョウロで植物に水をやるロボットのシーンだけで「良作」とするには全体的なお粗末度が過ぎる作品だ。
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