技術屋たちの熱き闘い-組織の壁、開発の試練を突き破れ
永井隆
日本経済新聞社
画期的な製品が登場する裏には技術屋たちの夢があった。
プロジェクトXの書籍版とも云える一冊。
松下のななめドラム式洗濯乾燥機、TOTOの魔法びん浴槽、燕市の磨き屋シンジケート―。
会社組織の壁や開発の試練に苦しみながら、ときには社命に抗してまで自分の夢を実現していった技術屋たち。
そのブレイクスルーの過程には、数々の熱きドラマがあった。
人気企業ルポルタージュを大幅加筆。
取り上げられている「熱き戦い」は以下の通り。
- 松下電器産業/ななめドラム式洗濯乾燥機
- TOTO/魔法びん浴槽
- ダイハツ工業/インテリジェント触媒
- 日産自動車/フェアレディZ
- サントリー/発泡酒
- スズキ/チョイノリ
- キリンビール/キリンチューハイ氷結
- ホンダ/ASIMO(アシモ)
- 東京めたりっく通信/ADSL
- トヨタ自動車/燃料電池車
- 燕市/磨き屋シンジケート
- 富士通/フルカラーPDP
- カシオ計算機/デジカメ
個人的思い入れがあるのは「東京めたりっく通信」かな。実は元ユーザー。
当時、ADSLの出現はまさに革命で、自分の住んでいる地域がサービスエリアに含まれると速攻申し込んだ。ほんの少し前の出来事なのに、今ではADSLが常識になり、光ファイバーが普及しつつあり、電力線を使った高速通信なんかも現実味を帯びてきている。ウェブサービスのスピードは尋常じゃない速さだ。
松下電器産業のななめドラム式洗濯乾燥機なんかも今ではごく普通の洗濯機として受け入れられている。
こうした世の中を変える製品が誕生する裏には技術屋たちの熱いドラマがあり、その影には技術屋たちのかなわなかった夢がたくさん転がっているのだろう。
で、悪趣味かもしれないが、私は語られることのないドラマ、それを読んでみたいとも思うのだ。
技術屋たちの熱き闘い-組織の壁、開発の試練を突き破れ
永井隆
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